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2009年8月 3日 (月)

松之屋

評価 7

入店日時 平成21年8月1日(土)午後19時頃 過去入店回数 なし

久米島に行った。真夏のギラつく太陽の中、折りたたみ自転車を携えてフェリーで行った。予想に反して行きのフェリーは満員だった。早めに乗り込んだのに、船室の座席に座ることは出来なかった。デッキの硬いベンチに4時間は辛いが仕方ない。聞けば島で夏祭りがあるらしい。確かに周りを見渡すと観光客より島の人が多い気がする。デッキのベンチも確保できない人が多く、所在無く地べたに寝転んでいる人も多い。まるで難民船だ。大きな船なのに、小さな船室。1、2時間の航海じゃないのだから、何とかならないのであろうか。船での長旅に本は欠かせない。まことに遅ればせながら最近読み始めた「竜馬がいく」を何冊か持ち込み、これまた大量に買い込んだビールを飲みながら時間を過ごす。途中、渡名喜島に寄航する。以前やはり自転車を持ち込み訪れたことがあるが、最近この地を舞台にした映画の影響だろうか、降りる人がずいぶん多くなった気がした。この島に訪れたのを契機に、「日本の島を旅する」というブログを始めたのだが、2島更新しただけで止まってしまっている。 お尻が痛くて居た堪れなくなった頃、ようやく久米島に着いた。早速自転車を漕ぎ出しホテルに向かう。以前来た時はイーフビーチ近くのホテルに泊まったが、あまりにもおサムい施設とサービスだったので、比較的新しく静かそうな空港近くのホテルを選んだ。港近くの小さな商店街を抜けるとすぐにさとうきび畑が広がった。青い空と白い雲の対比が美しい。さすがに吹き抜ける風も熱風となり、日差しも肌を突き抜けるようだ。ドーム球場を過ぎ、さとうきび畑の向こうに白い建物が見えたときはホッとした。ホテルは予想通り、離島のホテルとしてはまあいい方だと思う。なんにしてもシンプルだ。 それにしてもどうして日本の2流ホテルにはゲームコーナーが空しく存在するのだろうか。それゆえに2流、いや3流なのだが、ゲームコーナーで遊ぶ方も問題であろう。そもそも旅行に来てまでゲームをするのだったら家でTVゲームでもしていたらよい。あの空しい機械音を聞いただけで、旅気分が吹っ飛ぶのは我輩だけであろうか。これを見ているホテル関係殿、どうか日本のホテルからゲームコーナーを撤去しましょう。でないと、その成長目覚しい旅館業界にいい乗客を獲られてしまいますよ。 まあいい。 このホテルにはゲームコーナーはないのだが、プールが何にしても狭い。ああ日本にはいいホテルは根付かないのだろうか。もっとも客側もホテルの使い方を単なる宿泊所としか捉えてないのだからいいホテルが育たないのであろう。 仕方あるまい。泳ぐには適さないが、プールサイドのベッドからホテルの前に広がるシンリ浜を眺めているだけで、離島の空気は十分に感じられる。 空も海も蒼い。日が傾いたのを機に、街にまた自転車で繰り出した。ホテルのフロントで、「近くでいい居酒屋」ということで聞いたここ松之屋。入り口は若干入るのを躊躇する佇まいなのだが、他にあてもないので仕方なく入る。威勢のよい「いらっしゃいっ!」の声はない。祭りの夜だからであろうか、客は結構入っているが、普段はほぼ常連客で占められるであろうこの店にとって、我々は闖入者以外の何者でもないのだろう。空いている席は「予約席」になっていたが、22時からの予約だという。祭りの2次会としてなだれ込んで来るのだろう。我々も21時半の花火を見に行くつもりなので、ちょうどいい。座ってビールと梅酒を注文する。梅酒、と注文したのに心配になってカウンターを除くとまさに「梅チュウ酎」を作るところだったので、慌てて梅酒と念を押したところ、案の定「そんなのないよ」とあしらわれる。しかし、おばんの持っているペットボトルに「梅」と手書きで書いているではないか。「じゃあそれは何?」と聞くと、「これは自家製の梅酒だよっ」と言う。 「ああ、それでいんだよ、それに氷を入れてくれたらいいんだ。」とお願いする。 ふーっ、梅酒は酎ハイを作るためのものと思っているのであろうか。 メニューは定食や食事系が多いが、島料理ももちろんある。刺身盛り合わせ、てびち煮付け、ソーミンチャンプルー、もずく餃子、地鶏のたたきを注文する。壁には楽天選手のサインや写真が貼られている。キャンプ中はこの店にも野球選手が大挙押し寄せるのであろう。この日も忙しいらしく、おばんは汗びっしょりで動き回っている。店には古い歌謡曲が場末の酒場のようにかかっている。 店に愛想はない。が、不快ではない。後から観光客らしき客が入ってくるけど、みんな店の雰囲気に少し圧倒されている。やはり地元の人のための店なのだろう。まあそれが観光客には魅力なのだけれど。しかし料理は以外にも全て美味しかった。地物の刺身は新鮮だし、それ以外の料理もじゅうぶんに満足に行くものだった。珠美の月が空になるころ9時を回っていたので店の外に出た。祭り会場でもそろそろ花火が上がるようだ。島の海に花火が上がる。思いもかけず、すぐ頭上で花火が上がる。弾ける。何か得した気分で真っ暗な道をホテルに戻った。

松之屋                                                 久米島町大田567                                         098-985-3954

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