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2008年2月20日 (水)

京彌

評価 7

入店日時 平成20年2月8日(金)午後9時頃  過去入店回数 なし

閑静な泊の住宅街にこじんまりした一軒家屋風の居酒屋がある。最初この店を発見したときは「こんなところに...」という感じだった。いつか行ってみたいと思っていたが、新都心の居酒屋がどこも満員で入れなかった今夜。この店を思い出しここまで流れてきた。ニューヨークに語学留学するというかつての同僚と一緒だ。この男とは歳がずいぶん離れていたにも関わらず、頻繁に飲みに行ったものだ。よく気が廻り、場の雰囲気を読み取る繊細さは自分がかつて若かった時に似ている。 自分も10年近く前になるが、会社を辞めて途方に暮れていたとき、思い立ったのが語学留学だった。その時はやはりニューヨークだった。当時はアメリカの文化より、ヨーロッパに憧れていたが、初めて降り立ったニューヨークの街はあまりにも衝撃的だった。スタバに入ったのすらこの時が初めてだった。この頃の語学力はスタバで「トール・アメリカーノ」すら通じない酷いものだった。5分「トール・アメリカーノ」を言い続け、結局諦めて「カフェモカ」に変えたらすぐに通じた。今はさすがに「トール・アメリカーノ」は通じるが、帰国後も語学力自体は上がらなかった。ただ、「慣れた」のは確かである。彼は流暢に話すことは出来なかったが、理解することは出来た。 相手が外人でも臆することがないので、職場でも冷静に対処していたように思う。ある日出張で来ていたIT関連のインド人に超激辛のカラムーチョを「Take some」と勧めて「Oh good !」 と言われていた。ちょっとした日印交流のその場面を見て、少なからず胸が熱くなったのを覚えている。 そんな彼のことだ、ニューヨークから帰って来たときはペラペラになっているであろう。

今夜はそんな彼との壮行会というわけだ。 前に店の前を通って分かってはいたが、純粋な沖縄家庭料理の店だ。京料理の店ではない。オーナーの名の一部をとったものらしい。意外にも混んでてカウンターだけが空いていた。後ろの団体がちょっと異様なほどうるさい。耳を近づけないとお互いの声が聞こえない。こういう落ち着いた雰囲気の小さい店で、お互い距離も離れてないのにこれだけ騒がれると、これはもう暴力と言ってもいいだろう。どうやってこの店を見つけたのか、内地からの客らしい。 取り合えず生ビールを注文し、メニューを見る。イカのてんぷら、長命草のてんぷら、角煮、を注文する。厨房に1名、カウンターに1名の女性2名でやっている。親子だろうか。料理はうちなー料理を創作風にしているのでなく、非常にストレートだ。イカのてんぷらにも天汁や塩ではなく、ウスターソースを出してきた。こういう姿勢は非常に共感が持てる。それにどの料理もボリュームいっぱいだ。酒に酔ってくると周りのうるさいのも気にならなくなってきた。というかいつの間にかうるさい団体はいなくなっていた。ただ前日飲みすぎていたので、この日は残波を3分の1ほどしか飲めなかった。周りが静かになると、非常にいい雰囲気の店になる。料理も美味しいし値段も手頃なので、純粋に沖縄料理を楽しみたい2~3人連れの方々にお勧めしたい。大事にしたい店の一つである。

さて彼に散々ニューヨークでの心構えなどを説法したワリに、自分はどうだったかというと、ニューヨークでの勉強はそこそこに、カナダに渡りスノーボードにのめり込んでしまったというのが実際のところだ、バスや列車でバンクーバーからウィスラー、ジャスパー、レイクルイーズ、バンフなどを1人で転戦し、英語どころか日本語での会話すら忘れるほど孤独だった。でも雄大なロッキーに抱かれて目の前の雪のことしか考えない空白の時間は今となっては宝物に等しい有意義な時間だった。そう考えるとこんな食べ物のことで御託を並べている生活が、急に空しいことに思えてきた。2年後はバンクーバーで冬季オリンピックだ。冬の間、いつもどんより曇っているバンクーバーの空は、不思議と冬の間の沖縄の空に似ている。

京彌                                                                                                            那覇市泊2-13-1                                                                                          098-867-6280

バンクーバーの休日。

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