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2006年6月12日 (月)

きしもと食堂 八重岳店

評価 8

入店日時 平成18年6月11日(日) 午後14時半頃  過去入店回数 なし

明治38年創業という、沖縄そばの店としては老舗中の老舗である。沖縄そばは戦後小麦粉が安定して供給されるようになって普及したと聞くが、100年前のこの時代は小麦粉も大変貴重品だったはずである。今でこそ庶民の味である沖縄そばが、その当時はどのような人が食べていたのであろうか。一説によればこの店が沖縄そばの元祖という話もある。今日は八重岳入り口にあるその支店にいった。噂どおり並んでいたが、そば屋なので回転が早く、5分くらいで相席だったが席につけた。オーダーは食券方式だ。2人できしもとそばの(大)(小)、それにジューシーを一つ頼んだ。メニューはこの他にライスのみ。つまりそば1本で勝負しているのだ。選択の余地はない。作り手の自信に当然食べるほうにも力が入る。ほどなくして注文したそばとジューシーが運ばれてくる。えっ...。第一印象→「色が濃い」。透き通ったスープになれた目には、それは関東のそばつゆに見えた。啜る。ん、見た目ほど辛くない。と、いうかむしろあっさりしている。ちょっと醤油が強いように感じるが、甘い鰹の香りと味が前面に出て、控えめに豚骨が深みを加えている。おそらく丹念に灰汁をすくっているのであろう、スープには全く油が浮いていない。すごく綺麗なスープだ。今まで食べた沖縄そばで一番かも知れない。次に麺。ここんちのウリ、木灰をつなぎに使った手打ち麺というのは誰でも知っている。しかし、今までの経験からいうと、木灰を使ったからといって、必ずしも美味しいとは限らないのだ。最近は乱立するそば屋で他店と差別化するため、この木灰水を使った店も増えている。木灰を使わない店はかんすいをつなぎに使っているのだが、味にはそれほど大差はない。っていうか味からは分からないはずだ。何故なら灰のアルカリ性を生かして麺にコシを与えるのが木灰を使う目的で、人工成分であるかんすいを使ってもそのコシは出せるからだ。もっともかんすいと木灰、特にガジュマルの木を燃やして作った灰汁となると、気分的に木灰の方が全然いい。しかし、かんすいが嫌だなんて言っていたら、ラーメンなんか食べれなくなってしまう...。で、麺を食べる。モチモチッ、プツッ。うーん。このモチモチ感は茹で上げた麺が空気中で伸びきってしまったものだ。つまり一般的には「大失敗作」ということになるが、沖縄そばはさにあらず。敢えて茹でを強制的に抑えるのではなく、自然放置が沖縄そばの最大の特徴である。ここの麺はそれが一層強調されている。でもこの歯ごたえはこの出汁と合っている。麺を啜るというよりは、まさに麺を食べる感じだ。能書きはともかく美味しい。そしてトッピングの豚肉とかまぼこ。うまい。特に豚ばら肉と豚赤肉の味付けは、上品な甘辛さで絶品である。柔らかすぎず、肉の食感を残しているのもいい。全体的なバランスがすごく取れているそばだ。すごく丁寧に作られているのも分かる。しっかりとした味付けのジューシーも美味しい。創業100年の看板に偽りなしだ。

そばを食べた後、ここから車で10分ほどの、今や県内のみならず全国的に有名になった「よへなあじさい園」によった。最近TVや新聞でよく取り上げられている。何でも「日本あじさいの名所30選」に選ばれたそうだ。紫陽花は昔から好きな花だが、艶やかな色彩の花が多い沖縄にあって、淡い花色の紫陽花というのもピンとこない。でも来てみて驚いた。すごい数の見学客だ。それもそうだろう。おばあちゃんが25年掛かって1人でコツコツと育て上げたというあじさい園は、山の斜面一帯を多い尽くすほどの数で、今までこんなに見事な紫陽花のお花畑は見たことがなかった。2週間以上降り続く雨に、気持ちにまでカビが生えかけていたが、久しぶりに晴れ間を見た気がした。そしてもっと嬉しかったのは、紫陽花を見る人々の晴れやかな顔々だった。梅雨の合間の北部遠征でした。

木灰沖縄そば きしもと食堂 八重岳店                             本部町字伊野波350-1                                     0980-47-6608

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